今甦る、戦争と愛情と、思いやりの記録
2008年11月、ひとりの映画監督が亡くなりました。小林広司、享年51。
彼が晩年取り組んでいたテーマがあります。
それは鹿児島沖に浮かぶ小さな島「黒島」と、不時着した若き「特攻隊員」たちの物語でした。
私たちは彼の残した原稿と、その「思い」を本にしました。
太平洋戦争末期。「愛する人のために命をかけた」墜落した若き特攻隊員と、彼らを「無心で助けた」島の人々との知られざる物語。
私たちは戦争の悲しさと、あの時代を決して忘れない──。
著者・小林広司はこれら黒島と若き特攻隊員たちの知られざるエピソードと、戦後今日まで続く島民と元・特攻隊員の人々との交流、さらには戦争を知らない現代の島の子どもたちの姿を交え、一篇のドキュメンタリーとして完成させます。
それは2004年の終戦記念日に『ザ・ノンフィクション〜終戦記念スペシャル 黒島を忘れない 59年目の“友よ”〜』というタイトルで、フジテレビ系列の番組として放映されました。
しかしながら約半年にわたる取材内容は、1時間にはとても収まらず、また多くの戦友を失った元特攻隊員の人々や、黒島が経験した戦争の記憶を留めておきたいと、小林は一冊の本として残しておくために文章にしたため始めます。
けれどその時すでに、彼の身体は病魔に冒されていたのです。
小林は『黒島を忘れない』の中で、黒島と特攻隊員を巡る物語、その絆を、<『人の思い』として伝えたい>と書いています。
あの時、何故若者たちは自らの命を犠牲にしてまで戦おうとしたのか。そして貧しかった黒島の人たちは、何故彼らをあんなにも一生懸命助けたのか。
本書が、そんな「人の思い」を今の時代に、少しでも伝えることが出来たら幸いです。
『黒島を忘れない』発売日程
◎6月25日(木):ネット書店の半蔵門書房にて先行発売開始
◎7月7日(火):Amazonにて発売開始
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